【第5回】同人サークル分析シリーズ 総売上金額の分布から見る市場の格差
前回の第4回では、「総販売数(ダウンロード数)」の分布を見て、販売本数の集中度や格差の大きさを確認しました。
しかし、販売本数だけでは本当の収益は分かりません。
なぜなら、価格設定によって同じ本数でも売上が大きく変わるからです。
売上金額を見る理由
販売本数は「何人が買ったか」の指標ですが、売上金額は「いくら稼いだか」という直接の成果を示します。
例:
・サークルA:500円 × 10,000本 = 500万円
・サークルB:2,000円 × 10,000本 = 2,000万円
販売数が同じでも、価格設定の違いが売上額を何倍にも変えてしまうのです。
今回のグラフ:「総売上金額の分布」

この画像も上下2段構成です。
上半分(パーセンタイル棒グラフ)
- 横軸:パーセンタイル位置(0%〜100%)
- 縦軸:総売上金額(円)
- 右端が非常に高いのは、一部サークルが数億〜数十億円を売り上げているため(最大は約45億6千万円)
下半分(累積分布)
- 横軸:総売上金額(円)
- 縦軸:その金額以下に位置するサークルの割合
- 赤い丸が主要節目(中央値、75%、90%、95%、99%)
読み取れる具体的な数字
・中央値(50%地点):216,562円 → 半分のサークルの累計売上は約21.6万円以下
・75%地点:1,773,681円(約177万円)
・90%地点:12,129,007円(約1,212万円)
・95%地点:34,487,392円(約3,448万円)
・99%地点:196,458,577円(約1億9645万円)
・最大値:4,566,548,855円(約45.6億円)
見えてくる傾向
1.多数派は副業〜趣味収入レベル
→ 半分以上が20万円未満の売上
→ これらは趣味・副業型の活動が多い
2.トップ層は市場の売上を独占
→ 上位1%は億単位、最大で数十億円という圧倒的差
3.販売数+価格戦略で格差が拡大
→ 本数の差だけでなく、価格の高さでも差が広がる
これまでの分析との関係
・販売数との関係:販売数が多くなくても、高単価作品なら高売上になる
・作品数との関係:多作品数でも低価格なら総売上は抑えられる場合あり
・評価数との関係:トップ売上層は、評価数も多く、信頼度・知名度が盤石
まとめ
・半分のサークルは累計売上が約21.6万円以下
・高売上はトップ層に極端に集中
・高価格戦略や長期販売型は、販売本数が少なくても高売上を生み出せる
次回予告
第6回は、販売期間(日数)の分布を見ます。
作品がどのぐらい長く売れ続けるのか、その期間と売上・販売数との関係を分析します。
長期販売型と短期集中型、どちらがどんな結果を生みやすいのか、数値で確かめます。




