【第3回】同人サークル分析シリーズ 制作作品数の分布から見るサークルの活動スタイル
前回までは「評価点」と「評価数」という、ファンからどう見られているか・どのくらいの人が反応しているか、という外部からの評価の軸を見てきました。
今回はそこから一歩進んで、「サークル自身がどれだけ作品を作っているのか」という活動量の軸を分析します。
つまり、制作作品数の分布です。
制作作品数を見る理由
活動の量は、サークルのスタイルや戦略を知る重要な手がかりになります。
作品数が多いサークル:量産・継続型の可能性大
作品数が少ないサークル:少品種・集中型の可能性大
また、作品数は評価数や販売数にも関わってくる指標です。
多くの作品が揃っていれば、それぞれの作品が少しずつ売れ続け、結果として全体の売上や評価数が押し上げられやすくなります。
今回のグラフ:「制作作品数の分布」

このグラフも上下2段構成になっています。
上半分(パーセンタイル棒グラフ)
横軸:パーセンタイル位置(0%=最小値、50%=中央値…)
縦軸:作品数
一部のサークルは、数百〜数千本もの作品を作っていて右端が極端に高くなっています(最大は4,578作品!)
下半分(累積分布グラフ)
横軸:制作作品数
縦軸:その本数以下に位置するサークルの割合
赤い丸が主要な節目(中央値、75%、90%、95%、99%地点)
読み取れる具体的な数字
中央値(50%地点):3作品
→ 半分のサークルは3作以下しか出していない
75%地点:11作品
→ 全体の4分の3が10作品台まで
90%地点:29作品
95%地点:48作品
99%地点:127作品
最大値:4,578作品(圧倒的な量産型)
見えてくる傾向
少数作品のサークルが多数派
→ 多くのサークルは数本〜十数本しか発表しておらず、少品種集中か、副業・趣味型の活動傾向が多い
トップ量産型は極端に多い
→ 数百作品を超えるサークルも存在し、こういったサークルは作品のバリエーションで市場をカバーしている
制作本数と人気の関係は単純でない
→ 作品数が多くても、評価数や販売数が必ずしも比例して多いわけではない
→ 少数精鋭で高評価&高販売を実現しているパターンもある
これまでの3つの指標の関係
評価点(第1回)=クオリティや満足度
評価数(第2回)=知名度、ファン層の規模
作品数(今回)=活動量、供給力
これらを組み合わせると、サークルのタイプが見えてきます。
例えば:
高評価 × 多評価数 × 多作品数 → 長期安定型・量産ヒット型
高評価 × 少評価数 × 少作品数 → ニッチな短期ヒット型
普通評価 × 多作品数 → 集客努力が課題の量産型
まとめ
半分のサークルは3作以下しか発表していない
数百〜数千作の「超量産型」も存在するがごく一部
活動量の多さは知名度や販売チャンスを広げるが、評価や売上は戦略次第
次回予告
次回は第4回:総販売数(ダウンロード数)の分布を見ます。
作品数が多いサークルはやはり販売数も多いのか?
少ない作品本数でも販売数が多い“効率型”サークルは存在するのか?
販売本数という市場での実績を数字で確認していきます。




