【第1回】同人サークル分析シリーズ 平均評価点の分布から見えること
サークルの実態をグラフから分析します。
今回から全7回にわたって、DLsite や FANZA(DMM)で活動している同人サークルのデータをもとに、サークルの実態をグラフで分析していくシリーズを始めます。
平均評価点(今回) 評価数(何件の評価を受けたか) 制作作品数(作った作品の本数) 総販売数(売れた本数) 総売上金額(いくら売り上げたか) 販売期間(何日販売を続けているか) 作品価格の中央値(価格設定)
- 平均評価点(今回)
- 評価数(何件の評価を受けたか)
- 制作作品数(作った作品の本数)
- 総販売数(売れた本数)
- 総売上金額(いくら売り上げたか)
- 販売期間(何日販売を続けているか)
- 作品価格の中央値(価格設定)
第1回のテーマ:平均評価点の分布
さて、記念すべき第1回は 平均評価点 です。
これは、サークルが販売した作品について、購入者がつけた評価の平均点(5点満点)を集計したものです。
まずはこちらのグラフをご覧ください。

1. このグラフが何を表しているか
- 横軸:「平均評価点」=そのサークルが作った作品の星⭐の平均(5点満点)
- 縦軸:「サークル数」=その平均点を持っているサークルが何グループくらいいるか
- 青い棒:その点数のサークル数
- 赤い線:全サークルの平均点(4.23)
- 緑の線:全サークルの中央値(4.36)
※中央値=全員を点数順に並べたときにちょうど真ん中に来る点数
2. 見えている主な特徴
- ほとんどのサークルが高評価
- 4.0 以上の評価点が圧倒的に多い
- 特に 4.2〜4.6 の間にサークルが集中している
- 5.0 (満点)近くのサークルも結構いる
- 低評価のサークルはとても少ない
- 3.0以下の評価点の棒はほとんどない
- 1.0 付近の極端に低い点数も少しだけある
- 平均値(赤)よりも中央値(緑)が少し右にある
- → これは、一部に低い評価点のサークルがいて、平均を少し下げていることを意味する
- でも「真ん中の人(中央値)」は4.36点くらいで、かなり高い
3. 簡単にいうと
- 同人サークルの多くは、ユーザーからかなり高い評価をもらっている
- 「4点台が当たり前」の世界で、3点台はちょっと珍しい
- ごく少数だけ、低い点数(1〜2点台)がある
- これは「評価する人の数にも影響される」ことが考えられる(少ないと極端な評価がつきやすくなる)
4. まとめると
このグラフは、学校のテストにたとえると、80点以上を取っている人がとても多いイメージです。
ほとんどのクラスが 80点(4.0/5換算)以上を取っていて、90点前後のクラスも多い。
一部だけ不評で低い点数になっている感じです。
このグラフから、ほとんどのサークルが 4.0以上の高評価 を得ていることがわかります。
つまり「サークル全体としてユーザー満足度が高い」業界だということです。
そして、赤い線(平均:4.23)と緑の線(中央値:4.36)は近い位置にあります。
これは、全体がわりと均等に高評価でまとまっていることを表しています。
もし一部で極端に低い評価が多ければ、この差がもっと大きくなるはずです。
もちろん、中には3.0以下のサークルもごく少数ありますが、全体からすると非常にまれです。
5. でも、これだけではわからないこともある
ここまで見たのは「点数」だけです。
でも、ここで考えてみましょう。
高い評価点って、何人の評価からつけられたんだろう?
1人や2人しか評価していないケースと、1000人以上が評価したケースでは意味が違いますよね?
例えば…
評価点4.8(とても高い)だけど、評価人数がたった3人だったら?
評価点4.2(そこそこ高い)だけど、5000人が評価していたら?
これらは同じ「高評価」でも、信頼感や意味合いが変わります。
次回は、この評価点の裏側を見るカギとなる 「評価数(何人がその評価をしたのか)」 のグラフを使って、
高評価の“信頼性”や、本当に人気があるサークルの見分け方を深掘りしていきます。